●生まれた瞬間から展開されるダシャーの算出方法
では、実際自分のダシャーがどこから始まるのか調べることにする。
そもそもヴィムショタリ・ダシャーとは、出生時の月の度数を起点として惑星サイクルが展開する。
出生時の月の度数が含まれるナクシャトラの主星からマハー・ダシャーがスタートする事になるため、
まずは月のナクシャトラを調べる必要がある。
また、そのマハー・ダシャーをどのくらい過ぎた時点からのスタートであるかも
調べる必要がある。 1ナクシャトラ13度20分の中に、ナクシャトラの主星が太陽であれば6年分、 ラーフであれば18年分、金星であれば20年分・・といった具合にそれぞれのナクシャトラの
主星の期間が対応する事になる。
つまりダシャーは、出生時のナクシャトラの中で、月が進んだ角度分のパーセンテージに値する年月からスタートする事になる。
【例】
29度10分に月が在住する時に生まれた場合
(アシュヴィニーの起点を0度とし、レーヴァティの終点を359度59分59秒とする。12星座でいうと牡羊座の29度10分ということ。)
①・ナクシャトラの主星と、 月の在住するナクシャトラにおいて月が何度進行したかを算出する |
ナクシャトラはクリティカとなるためその主星は太陽となる。
さらに、月がそのナクシャトラを完全に通りすぎるまでにあと何度何分あるかを決定する。
各ナクシャトラには13度20分つまり800分の長さがある。
クリティカは26度40分からスタートするため、月はすでにその中を2度30分(=150分)進んできた事になる。
このナクシャトラの中には、あと10度50分(800分-150分=650分)残っている事になる。
②・ナクシャトラ全体を、主星の担当するダシャー期間とイコールにする。 |
(1ナクシャトラ13度20分=800分)=太陽の6年間
③・②のうち①の度数に対応する年月を、①と②の比率によって算出。 |
(1ナクシャトラ13度20分:ナクシャトラ全体の中で月が過ぎ去っていない残りの部分の度数)=
(ナクシャトラの主星のダシャー年:出生後にはじまるマハー・ダシャーの残りの年月)
800:650=6年:X年
650分×6年 4年と315日=4年と10ヶ月15日 |
このようにして、誕生時から残りのマハー・ダシャー期間が過ぎ去るまでにあとどれだけかかるかがわかる。 (この例では4年10ヶ月15日)。
例えば誕生日が1980年8月31日であったとするとそれに残りの4年10ヶ月15日を加える。 そうすると生まれた時点で始まったマハー・ダシャー太陽の期間は、 1985年7月15日に終わることになる。 太陽のマハー・ダシャーの次は、前述の表を参照すると月のマハー・ダシャーである。 したがって月のマハー・ダシャーは1985年7月16日から始まることになる。 月のマハー・ダシャーは10年の期間を与えられているため、 その次である火星のマハー・ダシャーの開始は1995年7月16日からとなる。
●アンタラ・ダシャーの残存期間
マハー・ダシャーの時期は判明したアンタラ・ダシャーの残存期間がどのくらいであるかによって調べる事ができる。 例の場合では太陽のマハー・ダシャはすでに1年1ヶ月15日終わっていることになる。 (6年-4年10ヶ月15日)
前述の「●アンタラ・ダシャーの求め方」にしたがって太陽のアンタラ・ダシャーを追ってみる。
一番最初に展開されるアンタラ・ダシャー太陽(太陽/太陽)の期間は
6x6 3ヶ月18日
同じようにして太陽/月の期間=0.5年=180日
(1年365.25日方式をとった場合182.625日) 6ヶ月
同じようにして太陽/火星の期間=0.35年=126日 4ヶ月と6日
全部足して13ヶ月24日=1年1ヶ月24日分ある。 |
過ぎ去った部分は1年1ヶ月15日だけである。 前者から後者をひくと9日になり、それが太陽のマハーダシャにおける火星のアンタラ・ダシャーのまだ終わっていない期間となる。
●プラティアンタラ・ダシャーの残存期間
例の場合では、先ほどの計算の通り、火星のアンタラ・ダシャーは9日残っている事になる。
前述の「●プラティアンタラ・ダシャーの求め方」にしたがって太陽/火星の中にある プラティアンタラ・ダシャーを追ってみる。
火星のアンタラ・ダシャーは9日しか残っていないので、 太陽/火星の中でも最後のプラティアンタラ・ダシャーとなる月の期間を出してみる。
126日×10年 |
以上の結果から、太陽/火星/月の期間は10日と12時間あることになる。
先ほどの結果では、太陽/火星の時期は9日しか残っていなかった。
するとプラティアンタラ・ダシャーは月の期間に入っていることになる。
よってこの人物が生まれた時点で開始されたダシャーは 太陽/火星/月であるといえる。
●スークシュマ・ダシャーの残存期間
同様にしてスークシュマ・ダシャーも求める事ができる。
太陽/火星/月の期間は10日と12時間あるため、太陽/火星の残存期間9日をひくと 1日と12時間分(36時間)進行している事になる。
太陽/火星/月の中の最初のスークシュマ・ダシャーである 次の太陽/火星/月/火星は0.6125日(14.7時間) 次の太陽/火星/月/ラーフは1.575日(37.8時間) |
太陽/火星/月/火星の時点で合計は35.7時間のため、次のスークシュマ・ダシャーであるラーフが 生まれた時点でのダシャーとなる(太陽/火星/月/ラーフ)。
●プラーナ・ダシャーの残存期間
同様にしてプラーナ・ダシャーも求める事ができる。
太陽/火星/月/ラーフは37.8時間あり、そのうち36時間進行しているので前者から後者をひくと 1.8時間経過している事になる。
太陽/火星/月/ラーフの期間のうち最初のプラーナ・ダシャーとなる 太陽/火星/月/ラーフ/ラーフは
37.8時間×18年 |
以上の結果から、太陽/火星/月/ラーフ/ラーフは 5.67時間あることになる。 よってプラーナ・ダシャーはラーフの期間内にあり、 出生時のダシャーは太陽/火星/月/ラーフ/ラーフとなる。
このように、ダシャーの構造はフラクタルになっている。 これは一人一人に宇宙全体の情報が含まれているというのと同じ(大宇宙に対して 人を小宇宙というのと同じく)相似系がここでも繰り返されていることを示している。 |