【問】何もかもうまくいかない!生き辛いのはなぜ?


※以下のご相談はご本人の承諾を得て記載しております。また、個人が特定されるような情報(星の配置から生年月日を推測できるクンダリーの内容、ご相談内容の詳細など)はカットし再編集しています。したがって主にジョーティシャやインド哲学による現象世界の解釈を述べています。


Aさん:

仕事も恋愛もうまくいきません。好きな人には平気で約束を破られたり、仕事では自分ばかり責められたり・・最近具合いも悪いし苦しいです。ぐるぐると悩んでばかりいて自分って何なんだろうと思ってしまいます。


茶丸:
いろいろと悩んでいるときに、なぜ苦しむのかというと心のどこかで「本当の自分はこうじゃないはずなのに」と気付いているからなのです。
そしてそれは真実です。本来の自分は怒りや悲しみ、恐れなどといった感情でもないし、これを学んだ、あれを知っている、といった知的な思考でもないのです。
本当の自分はそれらに気付いている意識そのものなのです。


それゆえ目の前で起きた出来事に対して、ショックで何も手がつかない、夜も眠れず食事も喉を通らない、生きている意味もわからないし、人生なんか早く通り過ぎて終わってしまえば良いのに・・そんな思いだけに支配されてしまうこともありますが、それは無理もないことなのです。
なにしろこれら受け入れがたい現象は、前世も含めて、過去の思考の結果なのであって、
今の自分には関係のないことだからです。

 

そこで気づいてあげてほしいのは、そんな中でも自分を懸命に守り、最高に素晴らしいドラマに仕上げようと常に光を当てているこの世界の総監督、つまり真の自己が存在していること。
実は自分こそがこの宇宙の総監督であり、全ての現象を目撃することによってあらゆる物事を創造しているってこと。

 

好きな人が振り向いてくれない、会社が正当な評価をしてくれない、とにかく何もかも思い通りにいかない!……それらは何か大切な目的があって、重要な意味があって、起きているのです。
自分が自分のことを一番わかってあげられるので、よく内省してみるならば、きっとこうなることで助かった自分もいるはずなのです。
塞翁が馬のように怪我をして戦争に行かないで済んだ、みたいなこと話をしているようですが、そこまで極端ではなくても、その問題があるからこそこれらが得られるという流れはこの世ではよくあることなのです。

 

問題の方にばかり目を向けて、今しか得られないチャンスがあるということにいつまでも気付かないので、本当の自分が「早く気づいてー」と言いたくて、苦しみという形でお知らせしているのかもしれません。

 

気休めに感じられるかもしれませんが、まずは自分を愛してみましょう。
これは美味しいものを食べるとかそういうことだけではなくて・・、それは自分を愛しているという意味ではなく自分の体を愛しているだけってことになってしまうので、そうではなく、自分の思考の中でもう一人の自分の望みに、もっと注意深く耳を傾けてみて、ということなのです。

 

もう一人の自分の望みに耳を傾けるということは‥
いつも頭の中でガンガンうるさくしている「お金が欲しい、お金が欲しい」とか「あの人に会いたい、あの人に会いたい」とか壊れたテープレコーダーのようにリピートしている思考に集中するのではなく、もっと奥底にある、自分の真の心と対話するという意味です。
それは「なぜ自分は今、目の前の出来事を呼び寄せたのか?」と自分自身に問うことです。
あらゆる現象は自らが招待しなければ目の前には訪れません。
内なる自己による何らかの理由があって、今目の前の現象が繰り広げられているのです。
この内面の声に耳を傾けると、例えばこのような本音が聞かれます。

 

・なぜ好きな人に会えないのか → 実はダイエットしたかった。相手は最近トラブルを抱えているようなので会えば喧嘩になるかもしれないと恐れていた。

 

・なぜ盗難にあったのか → 実はこのバックは前々から盗まれやすいと思っていたので買い換えたいと思っていた。

 

・なぜ何日もかけて書いた企画書が没になったのか → 実はもっと検討したい項目があった。近々自分が取得する技術を入れ込めば更なる利益が見込める。

 

・なぜ友人に裏切られたのか → 実はこの友人と楽しんでいる趣味以外の趣味に取り組みたかった。そのために一人の時間が欲しかったので離れるきっかけを探していた。


このように自分の中のもっと深い部分に内在する真の目的に対して光を当てていく作業をするのです。

するとその副産物として大切な人が自分に振り向いてくれたり、目上の人が正当な評価を与えてくれたり、必要なときに必要なものが訪れたりするようになります。
なぜかというと、みんな自分の本当の望みを実現したいですし、そのために真の自己を取り戻したい……でもなかなかできない。

 

そんな中で本当の自分と向き合って頑張っている人と関われば、自分の望みも叶うだろう、と無意識のうちに感じているからなのですね。

これが目の前の現象を変えようとするより、自分を変えたほうが早いといわれる理由です。
「自分を変える」ということは、周囲に無理やり合わせるという意味ではなくて、「本来の自分自身に帰る」という意味なのです。

 

そんなことは頭ではわかっている。でもどうにもならないから苦しいのですよね。

よくわかります。かく言う私も悩みのオリンピックがあれば、金メダルを取れるのではないかと自負していますから。しかし…… 

 

悩みは時に贅沢病のようにふるまいます。

もし今この瞬間に災害に遭ったり、突然激しい頭痛に見舞われたり、自分では対処できないような犯罪に巻き込まれたりしたら、ぐるぐると悩んでいる場合ではないのです。
これまで悩んでいたことなどはいったん忘れて、病院や警察など必要とする機関へ駆けつけるか、神へ祈るでしょう。悩んでいられることも、ある意味では恵まれているのです。
ですからまずは今あるものに感謝し、満足すること、そうしなければ次の段階のものは得られません。

 

「けれども世の中には感謝の気持ちもないような人が成功しているじゃないか」とおっしゃるかも知れません。
しかしその人がその成功によって真に幸せであるとどうやって知ることができるでしょう?
表面的に成功しているように見えたとしても「ああ、自分はこんなことを望んではいなかった、大きなまわり道をしてしまった」と感じているのかも知れないのです。
その人の心はその人にしかわかりません。

 

人のことなど外の状況を羨むのではなく、自分の望みに集中し、そのために真の自己を知ること、否定的な部分も許容し、だからこそすべてがあると、現在を肯定し認めたときに真の願望は叶うのです。