ジャイミニ・システム基礎

  

ラーシ・ドリシュティ(Rasi Dristi)】  参考:Brihat Parasara Hora Shastra9章

 

1-3

12星座における星座はそれぞれ対面の星座にドリシュティする。

しかし隣りにある星座にはドリシュティしない。

 

 

(注)星座はメーシャ(牡羊座)からはじまり、4星座ごとにチャラ(活動)、スティラ(不動)、ドヴィスバーヴァ(二重星座・柔軟)と割り当てられていきます。

 

チャラ・ラーシは隣りにある星座以外のすべてのスティラ・ラーシと互いにドリシュティを組みます。

スティラ・ラーシも隣りにある星座以外のすべてのチャラ・ラーシと互いにドリシュティを組みます。

ドヴィスバーヴァ・ラーシは、お互いにドリシュティを組みます。

 

下記はドリシュティを組むサインの早見表です。

 

 「ラーシ・ドリシュティ」

 

牡羊座:獅子座、蠍  座、水瓶座

牡牛座:蟹  座、天秤座、山羊座

双子座:乙女座、射手座、魚 

  座:牡牛座、蠍  座、水瓶座

獅子座:牡羊座、天秤座、山羊座

乙女座:双子座、射手座、魚 

天秤座:牡牛座、獅子座、水瓶座

  座:牡羊座、蟹  座、山羊座

射手座:双子座、乙女座、魚 

山羊座:牡牛座、獅子座、蠍 

水瓶座:牡羊座、蟹  座、天秤座

  座:双子座、乙女座、射手座

 

最も簡単な覚え方は、発光体スーリヤとチャンドラそしてシャニを除き、同じ支配星を持つ星座は常に対面ドリシュティを組むというものです。

たとえばミーナ(魚座)とダヌ(射手座)はともに木星をロードに持つので対面ドリシュティを組みます。

しかしシンハ(獅子座)とマカル(山羊座)のペアや、カルカ(蟹座)とクンバ(水瓶座)のペアは例外となります。また、これらペアをまとめて「サンムカ・ラーシ」(sammukha rasi)ともいいます。

 

4-5

グラハのドリシュティもまた、在住する星座(ラーシ)と同じものになる。

 

 

グラハ同士の固有のドリシュティの事は、グラハ・ドリシュティ(Grahadristi)といわれています。

しかし、この詩句においては、グラハは在住する星座のドリシュティと同じになると説かれています。

つまりグルがミーナ(魚座)にあれば、ミトゥナ(双子座)、ダヌ(射手座)にドリシュティすることになります。これはラーシ・ドリシュティ(Rasi Dristi)と呼ばれており、ジャイミニが独自に作り出したものではありません。

 

上記のように、パラーシャラもまた、その聖典「ブリハット・パラーシャラ・ホーラ・シャストラ」の中で、このラーシ・ドリシュティの詳細な解説を行っているのです。

 

 

Bhava Padas】   参考:Brihat Parasara Hora Shastra31章、Jaiminisutras

 

パラーシャラ(Parashara)とジャイミニ(Jaimini)も、ラーシとグラハのパダに重要性を置いています。

バーヴァまたはグラハが真実の座を意味するとき、パダはバーヴァまたはグラハの知覚と幻影の座を意味します。

 

パダの定義:

あるバーヴァ、またはグラハのパダはその実体を映した映像です。

それはマーヤー、つまりその実体に関係した幻影を示すでしょう。

バーヴァのパダは、この人の一生のいろいろな範囲(領域)について、他の人が得る知覚または幻影を示すでしょう。そして惑星のパダは惑星によって示された実体についてのこの人の知覚または幻影を示すでしょう。

 

 

1-3

パダの計算:

あるラーシからその支配星のいるところまでラーシの数を(両方のラーシを含んで)数えます。

次に、その支配星がいるラーシからさらに前方へ同じ数だけラーシを数えます。

到達したところが星座のパダになります。

 

グラハのパダ:

グラハがいるラーシからそのグラハに支配されるラーシまでを数えます。

次にそのラーシから同じ数だけ先にラーシを進みます。到達したラーシがグラハのパダになります。

 

6-7

グラハが2つのラーシを所有するならば、あるいは、ラーシが2つのグラハによって所有されるならば2つのうちより強いものを考慮してください。

相対的な強さは、ジャイミニによって与えられた規則に基づいて決定されるべきです。

 

 

4-5

そのラーシのパダを計算した結果が、そのラーシに一致するときには、バーヴァパダとして10番目のラーシとするべきです。もしパダがそのラーシから7番目の室ならば、4番目とするべきです。つまり、真実の座と幻影の座は同じ、あるいは反対のバーヴァにあることができないという理由から、自分のラーシ、または7番目のラーシにきたときには、そこから10数えたところをそのラーシのパダとします。

 

 この例外の背景には、カーラカを真実の姿(サッティア)とすると、パダは幻影(マーヤー)を意味し、真実と幻影は一致しないという考えがあります。

 

・もしパダがそのカーラカから見て1室にくれば、カーラカから見て10室がパダとなる

・もしパダがそのカーラカから見て7室にくれば、カーラカから見て4室がパダとなる

 

重要なパダ【ウパパダとダラパダ】

 

実際には、ほとんどの物が真実と異なって見えるマーヤー(幻影)の世界に我々は暮らしていますから、これらのパダの適切な分析は、正しい予測には非常に重要となるものです。

 

ある人の結婚の見通しを判断するとき、通常は7室を検討します。

それゆえ7室のパダ(ダラパダと呼ばれる)を考慮するということは論理的です。しかし、7室が法律上の結婚関係だけでなくビジネスの共同経営者、旅行の仲間などのようなほかの関係も言っているかもしれないことに注意するべきです。婚姻外の性的関係もこの室は示しているかもしれません。

したがってダラパダ(7室のパダ)は、これら全ての関係を示しています。そして結婚についてもダラパダは、むしろ配偶者との肉体関係を示すでしょう。

 

それゆえにリシたちは、結婚とその成果についての適切なしるしを得るために、ウパパダ(12番目の室のパダ)を分析することを教えてくれています。