बृहत्पाराशर होराशास्त्रम्
bṛhatpārāśara horāśāstram
アヴァターラ(化身)【BPHS第2章から】
रामो ऽवतारः सूर्यस्य चन्द्रस्य यदुनायकः ।
नृसिंहो भूमिपुत्रस्य बुद्धः सोमसुतस्य च ॥ ५ ॥
rāmo'vatāraḥ sūryasya candrasya yadunāyakaḥ |
nṛsiṁho bhūmiputrasya buddhaḥ somasutasya ca || 5||
ラーマはスーリヤ、ヤドゥナーヤカ(クリシュナ)はチャンドラ、ヌリシンハ/ナラシンハはブーミプトラ(マンガラ)の、ブッダはソーマスタ(ブダ)の(化身である)。
वामनो विबुधेज्यस्य भार्गवो भार्गवस्य च ।
कूर्मो भास्करपुत्रस्य सैंहिकेयस्य सूकरः ॥ ६ ॥
vāmano vibudhejyasya bhārgavo bhārgavasya ca |
kūrmo bhāskaraputrasya saiṁhikeyasya sūkaraḥ || 6||
ヴァーマナはヴィブデージャ(グル)の、バールガヴァ(パラシュラーマ)はバールガヴァ(シュクラ)の、クールマはバースカラプトラ(シャニ)の、スーカラ(ヴァラーハ)はサインヒケーヤ(ラーフ)の(化身である)。
केतोर्मीनावतारश्च ये चान्ये तेऽपि खेटजाः ।
परात्मांशोऽधिको येषु ते सर्वे खेचराभिधाः ॥ ७ ।
ketormīnāvatāraśca ye cānye te'pi kheṭajāḥ |
parātmāṁśo'dhiko yeṣu te sarve khecarābhidhāḥ || 7||
ケートゥからミーナ(マツヤ)の化身があらわれる。その他のアヴァターラもケータから生じる・・・
<解説>
マツヤ:「魚」を意味する。神が魚に化身し、大洪水によって沈められた世界からサティヤヴラタ・マヌという名の人物を救った。主が魚の姿をも取るということで、あらゆる生類の中に神が宿ることを証明している。(『インドの聖典』から抜粋)
クールマ:「亀」を意味する。神々と悪魔らが協力して乳海を撹拌している時、主は亀に化身しマンダーラ山の土台となり、世界が崩壊しないように支えたのである。
哲学的に「亀」は「感覚器官を感覚対象物から引き戻すこと」を意味する。マンダーラ山とは巨大な感情の力を表す。感情が人生の目的を達成させたいと願った時、感官を対象物から引き戻すことなしには、どんな目的も成し遂げられないということをこの亀の物語は意味している(シャニの象意)。つまり神の恩恵により感覚器官を制御し、人生の目的のために感情の力を集中させるならば、あらゆることを達成できるのである。(『インドの聖典』から抜粋)
ヴァラーハ:「猪」を意味する。ヴィシュヌ神は野猪に化身して、悪魔のヒラニヤークシャの手から貴重なヴェーダの知識を救い上げたのである。(『インドの聖典』から抜粋)
ナラシンハ:頭はライオン、体は人間の半獣半人。ヒラニヤカシプは苦行をブラフマー神に認められ、1つの願いを叶えてもらった。その際に願ったのは「神とアスラにも、人と獣にも、昼と夜にも、家の中と外にも、地上でも空中でも、そしてどんな武器にも殺されない体」という念の入ったものだった。
ヴィシュヌは実質不死身の体を得たヒラニヤカシプを倒すため、彼の息子でヴィシュヌ信者のプラフラーダに、夕方の時刻に玄関までヒラニヤカシプを誘導してもらい、ヒラニヤカシプが調子に乗って割った柱の中からライオンの頭をした人間の姿、すなわちナラシンハとして飛び出し、地上でも空中でもない彼の膝の上で、ヒラニヤカシプの体を素手で引き裂いて殺した(wikipediaからから一部抜粋)。
ヴァーマナ:「矮人/小さな人」を意味する。ヴィシュヌ神がヴァーマナの姿になり、追放されていたインドラ神に対して、天界の地位を取り戻してやった。なぜ神が小さな人間の姿に化身されたのかというと、誰かに願いを乞う時には、自らを低くしこうべを垂れる必要があるからである。ここでの主の目的は、インドラ神を救うため、悪魔バリに対して三歩分の土地を求めることだった。それゆえ主はヴァーマナの托鉢僧の姿を取り、施しを求めた。(『インドの聖典』から抜粋)
パラシュラーマ:斧を持つラーマを意味する。殺された父の仇討ちとして21回に渡りクシャトリヤの大虐殺を行い、結果一時代からクシャトリヤを消し去ってしまった。パラシュラーマはインド二大叙事詩どちらにも登場する。驕ったクシャトリヤを殲滅するために化身した(wikipediaから一部抜粋)。
ラーマとクリシュナ:ラーマとクリシュナはコインの裏表のような存在である。ラーマはスーリヤ・ヴァンシャ(太陽王家)に生まれ、クリシュナはチャンドラヴァンシャ(月王家)に生まれる。ラーマは昼間に生まれ、クリシュナは夜に生まれる。ラーマはウッタラ・アヤナに生まれ、クリシュナはダクシナ・アヤナに生まれており、互いの降誕はちょうど半年間の差がある。ラーマは人生の模範とするべきだが、クリシュナは模範とするべきではなく崇拝の対象とするべきである。常に付き従うシェーシャナーガ(ヴィシュヌ神の寝床の大蛇)はラーマの時には弟として、クリシュナの時には兄として化身する。そのほかにも様々な相互関係があるが、これらはすべてクンダリーのシステムと関係している。
ブッダ:覚者。ブダ(水星)を乗りこなせるものがブッダとなる。