~ジョーティシャ・インド占星術・基礎の基礎~
トリグナと5元素の成り立ち

 

ジョーティシャの文献を読んだり、コンサルテーションを受けたりしますと、 「あなたは地の元素が多いから、有機農業やガーデニングに携わると良いですね」とか 「土星は本来凶星ですが、この場合の土星はサットヴァのグナを多く含んでいるので有益なものをもたらすでしょう」などといった記述を目にする事があります。

 

ここでいう場合の元素とは、直接的に物質そのものというより 物質自体が持つ性質や働きであり、クンダリー(出生図)に示されている様々な情報を決定します。 また、グナ(性質、要素)とは、それぞれの惑星や星座が最終的に何をもたらすのかを 調べるために必要であるものです。

 

では、元素やグナといったものは、一体どこから発生し、どのような現象を 生むのでしょう。 このページでは簡単に、概要を説明したいと思います。

 

●サーンキヤ学派におけるその仕組み

 

ジョーティシュはその理論の根拠をサーンキヤ学派におきます。 サーンキヤ学派とはヴェーダに基づく六派哲学のうちの一つです。 この6つの体系は全てのヴェーダの基本となっています。 サーンキヤ学派の開祖であるカピラ(Kapila)は この世界全てを25の種類に分けました。 目的は25の原理の知識による解脱であります。

 

プルシャ(精神原理・1種類)+プラクリティ(物質原理・24種類)=合計25種類

 

最初の存在をプルシャといいます。
プルシャ(精神原理)にはプラクリティ(物質原理)と呼ばれる無限のエネルギーが 内在しているいわれます。 そして プラクリティ(物質原理)からブッディ(知性)があらわれます。
自分が自分である事を知った時点から アハンカーラが生まれます。 プルシャは純粋な知性ですが、この知性が知性自身を知り、 私が「私だ!」と知った途端、これは私のものだ、私は特別だ、といった私という 幻想が あらわれます。 それがアハンカーラ(エゴ)です。

ここまでの経路は以下の通りです。

 

プルシャ(精神原理)→プラクリティ(物質原理)
            ↓
           ブッディ(知性)
            ↓
           アハンカーラ(エゴ)

 

その後、真の自己を知る知性自身と、この自らの存在を知るという動きのある過程、そして知られるものであるはかない存在、客体が現れます。


サーンキヤ学派では、この事をグナ(性質、要素)として表現します。
グナのもう一つの意味はロープです。 プルシャという本来自由なものを拘束し縛り付けるのがグナであるからです。


グナ(性質、要素)は以下の通りです。
純粋に知る存在であるサットヴァ(純質)、知る過程、動きはラジャス(激質)、見られる存在であるタマス(暗質)は一種の幻想ともいえる客体を表します。

 

  知るもの・主体    知る過程  知られるもの・客体
     ↓

     ↓

      ↓
 サットヴァ(純質)

  ラジャス(激質)

   タマス(暗質)


アハンカーラ(エゴ)は、上記のような3つのグナ(トリグナ・性質・要素)を もっています。 それぞれサットヴァ・アハンカーララジャス・アハンカーラタマス・アハンカーラ、 といいます。


※ここで、普遍の私達を身体において束縛するサットヴァ、ラジャス、タマスのそれぞれ質
についての説明を、インドの古典中最も有名なバガヴァッド・ギーター(上村勝彦訳) から、一部分ですが、引用してみたいと思います。

 

サットヴァ=純質は汚れないものであるから、輝き照らし、患いのないものである。 それは幸福との結合と知識との結合によって束縛する。

ラジャス=激質はラーガ(激情)を本性とし、渇愛と執着とを生ずるものであると知れ。 それは、行為との結合によって主体(個我)を束縛する。
タマス=一方、暗質は無知から生じ、一切の主体を迷わすものであると知れ。 それは、怠慢、怠惰、睡眠によって束縛する。

 

純質幸福と結合させ、激質行為と結合させる。 一方、暗質は知識を覆って、怠慢と結合させる。(※以上バガヴァッド・ギーター(上村勝彦訳) からの引用)

また、ヴェーダでは以下のように分類されます。

 

トリグナ タマス=休息 ラジャス=活動 サットヴァ=学習
1日

24時間 8時間

8時間

8時間

 

上記のような3つのグナ(トリグナ・性質・要素)を持つ アハンカーラ(エゴ)からは
5つの知覚器官である 1・聴覚、2・触覚、3・視覚、4・味覚、5・嗅覚

そして 5つの行動器官である 6・手、7・足、8・発声、9・排泄、10・生殖 (行為をする5つの器官)

さらに 11番目としてマナス(意・心)が生まれます。

 

アハンカーラ
聴覚
触覚
視覚
味覚
嗅覚
発声
排泄
生殖
マナス(意・心)

 

さらにアハンカーラからは5つの微細要素であるタンマートラが生まれます。

5つのタンマートラ(5種の微細要素)とは

  声(シャブダ)、触(スパルシャ)、色(ルーパ)、味(ラサ)、香(ガンダ)

です。

 

そして5つのタンマートラから5つのマハーブータが生まれます。 5つのマハーブータ(5元素)とは

  虚空(アーカーシャ)・風(ヴァーユ)・火(アグニ)・水(ジャラ)・地(ブーミ)

です。

 


(シャブダ)

(スパルシャ)


(ルーパ)

(ラサ)

(ガンダ)

虚空
(アーカーシャ)
空間

(ヴァーユ)
気体


(アグニ)
燃体


(ジャラ)
液体

(ブーミ)
固体

 

また、先ほどのグナの話に戻りますと、
サットヴァからは虚空ラジャスからはが、タマスからはが生じます。
しかし、ジョーティシャの観点からみますと、調和的でバランスが良く、正しい場所にある元素は サットヴァの傾向をもつといえます。 また、互いに衝突するような元素はラジャスの傾向をもち、 互いにまとまりのない元素はタマスの傾向をもつと考えられます。
ですので 地の元素が多いクンダリーが必ずしもタマス的であるとは限りません。 そのクンダリーは地の元素の調和的な活用を表しているかもしれないからです。 例えば自然環境保護、動植物に対する思いやりなどは 地の元素のサットヴァ的な要素から生じます。

 

サットヴァ ラジャス タマス

虚空100%サットヴァ
(アーカーシャ)

←風(ヴァーユ)
火(アグニ)100%ラジャス

←水(ジャラ)
地(ブーミ)100%タマス

 

このうち、ヴァーユサットヴァラジャスの間を可動しています。
そしてアーカーシャは100%サットヴァであり、 アグニは100%ラジャスです。
また、ジャララジャスタマスの間を可動しています。
そしてブーミが100%タマスです。

ここで特にジョーティシャを解析する上で重要となるパンチャ・マハーブータ(5種の元素)タンマートラの関連性について、以下にご紹介しましょう。

 

1・アーカーシャ(虚空)

 

虚空は音を存在させます。
空間は音を発生させるのに必要でしょう。 そこで虚空に対して声つまり聴覚はつながるのです。
これこそがマハーブータ(5元素)の根本となります。

 

この アーカーシャ(虚空)に対応するのは グル(木星)です(注・水を代表する事もあります)。 5元素の根本である「空気」が出生時にはじめて肺に進入する再に、人は 痛みを伴う証拠に泣き声を発しますが、それが誕生の瞬間を表すと言われています。
宇宙の中心の方向
に該当する ダヌ(いて座)の支配星である 木星こそが、生命の誕生と 5元素の根本である アーカーシャ(虚空)、そして 聴覚(音)を代表するのです。 

 

2・ヴァーユ(風)

 

虚空の息子は風であります。風は肌によって、感触として認識できる存在です。
その父親であるアーカーシャ(虚空)の性質を受け継ぎ、音としても聞けますし (風が強いときはビュービューといった音を聞く事ができるでしょう)、感じる事もできます。
ここで肌によって感じる事(触)と風はつながるのです。

 

この ヴァーユ(風)に対応するのはシャニ(土星)(とラーフ)です(注・地を代表する事も あります)。
シャニ(土星)は肉眼で見える惑星の中で最も遠い星であり、外の世界(太陽系外)と 内の世界(太陽系)の境界線を表します。 これを人の体組織に対応してみた場合、人間の意識が神経によって感覚に下降する経路を表すことに なります。
触覚とは肌で感じるものであり、肌とは外の世界と内の世界の境界線を表すものです。
それゆえ触覚とは、ちょうど太陽系における土星のような役割を担っていることになります。 ちなみにラーフは土星に似ているといわれており、やはり同じ理由でヴァーユ(風)、そして 触覚を代表するのです。

 

3・アグニ(火)

 

風の息子は火であります。火は色と形を持つので、目によって知覚できる存在です。
その父親である風(触)と、祖父である虚空(声)の要素を受け継いでいます。
火が強ければゴウゴウと音を立てますし、近づけば肌によって熱さを感じる事ができます。
さらに火は、視覚によっても認識できるため、色(視覚)とつながることになるのです。

 

このアグニ(火)に対応するのはスーリヤ、マンガラ(太陽、火星)、(ケートゥ)です。 (注・太陽は乾燥した惑星でもありますからいくらかの風の元素も含まれるといわれています。 また、火星は重い惑星ですから第2の元素として地の元素も含んでおり、 さらにケートゥは2番目の性質として風の元素を持っているといわれます。)
一方で、色(視覚)を表すものとしては、スーリヤ、チャンドラ、マンガラ(太陽、月、火星)が該当します。
チャンドラ(月)はマハブータ(5元素)ではを代表しておりますが、 変化しやすい惑星であるため、スーリヤ(太陽)の近くにある時には風の元素の傾向を帯びる時があったり、 火の元素を表すこともあったりします。
いずれにせよ、 スーリヤとチャンドラ(太陽と月)は発光体であるため、やはり視覚に関係することになります。 特にスーリヤ(太陽)は右の目に影響力を持ち、チャンドラ(月)は左の目に影響力を持っています。

 

4・ジャラ(水)

 

火の息子は水であります。水は舌によって味わう事ができます。
舌というものは生まれた時から死ぬときまで常に濡れているものです。 ゆえに水と舌と味とは、常につながっている事になります。
水は曾孫です。父である火と、祖父である風と、曽祖父である虚空の要素を全て持っています。
水は見る事ができ、触る事ができ、聞く事ができ、さらにここでは味わう事もできるように なりました。

 

このジャラ(水)に対応するのはシュクラチャンドラ(金星と月)です。
なにかとなにかをくっつけたり 混ぜ合わせたりする性質を代表します。 (注・前述の通り、月は変化しやすい惑星であるため、太陽の近くにある時には 風の元素の傾向を帯びる時があったり、火の元素を表すこともあったりします。 また金星は軽くて、いくらか移動性のある惑星なので 2番目の元素として風を含んでいます)。
また、味(味覚)としてはシュクラ(金星)だけが対応します。
チャンドラ(月)は発光体であるため、タンマートラとしては色つまり視覚と関連するのです。

 

5・ブーミ(地)

 

水の息子は地であります。
地は香り、味わえる、見える、触れる、聞こえる、 地は全ての要素を持っています。
逆にいえば地の元素の中には5つの元素が入っていて、虚空から地まで下にいくにつれて だんだんと重くなります。
土の中には水の元素や火の元素、風の元素や虚空の元素が入っている事になります。

 

このブーミ(地)に対応するのはブダ(水星)です。
知覚、商業、コミュニケーションが基本的な性質ですが、 水星は移動性の惑星であるために風を代表しているとか、 微細な性質から虚空を代表しているといわれる事もあります。
水星は変化しやすい星ですから、関連する他の惑星の性質を帯びる傾向があります。
例えばブダ(水星)は、アーユルヴェーダでいうところの トリドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カパ)であり、3つの要素を全て持ち合わせます。 どのドーシャが強く表れるかは、関連する他の惑星の力量によるのです。
こういった点からも、ブダ(水星)は全ての元素を持ち合わせるに対応し、かつ香(臭覚)に対応する惑星として ふさわしいといえます。

 

 

ちなみにアーユルヴェーダ3つのドーシャマハーブータの関連は

 

風(ヴァーユ) 火(アグニ) 水(ジャラ)

ヴァータ

ピッタ

カパ

 

となります。
虚空(アーカーシャ)地(ブーミ)は 天と地ともいうべき存在ですので動きがありません。
風(ヴァーユ)、火(アグニ)、水(ジャラ)肉体の中で動く ということになります。
アーユルヴェーダでは病気になる事は結合であるといわれます(チャラカ・サンヒター参照)。
風(ヴァーユ)ヴァータ火(アグニ)ピッタ水(ジャラ)カパ が 互いに関連しあい、肉体の中で動き結合する事によって 様々な体質や病気が発生することになるといえるでしょう。
傷みはヴァータに関連し、炎症はピッタに、そして腫れや鈍痛はカパに関連します。

 

※虚空(アーカーシャ)と風(ヴァーユ)をヴァータに対応させ、 火(アグニ)、水(ジャラ)をピッタに対応させ、 水(ジャラ)と地(ブーミ)をカパに対応させる説もあります。 日本で出回っている情報の中では、こちらの方が主流なのかもしれません。

※当サイト内全ての内容の無断転載、引用を禁じます。

 





また、先ほどのグナの話に戻りますと、
サットヴァからは虚空が
ラジャスからは風と火が、タマスからは水と地が生じます。
しかし、ジョーティシュの観点からみますと、調和的でバランスが良く、正しい場所にある元素は
サットヴァの傾向をもつといえます。
また、互いに衝突するような元素はラジャスの傾向をもち、
互いにまとまりのない元素はタマスの傾向をもつと考えられます。
ですので
地の元素が多いクンダリーが必ずしもタマス的であるとは限りません。
そのクンダリーは地の元素の調和的な活用を表しているかもしれないからです。
例えば自然環境保護、動植物に対する思いやりなどは
地の元素のサットヴァ的な要素から生じます。
サットヴァ
ラジャス
タマス



虚空100%サットヴァ(アーカーシャ)
←風(ヴァーユ)火(アグニ)100%ラジャス
←水(ジャラ)地(ブーミ)100%タマス
このうち、ヴァーユはサットヴァとラジャスの間を可動しています。そしてアーカーシャは100%サットヴァであり、
アグニは100%ラジャスです。
また、ジャラはラジャスとタマスの間を可動しています。そしてブーミが100%タマスです。
ここで特にジョーティシュを解析する上で重要となるパンチャ・マハーブータ(5種の元素)と
タンマートラの関連性について、以下にご紹介しましょう。
1・アーカーシャ(虚空)
虚空は音を存在させます。
空間は音を発生させるのに必要でしょう。
そこで虚空に対して声つまり聴覚はつながるのです。これこそがマハーブータ(5元素)の根本となります。
この
アーカーシャ(虚空)に対応するのは
グル(木星)です(注・水を代表する事もあります)。
5元素の根本である「空気」が出生時にはじめて肺に進入する再に、人は
痛みを伴う証拠に泣き声を発しますが、それが誕生の瞬間を表すと言われています。
宇宙の中心の方向に該当する
ダヌ(いて座)の支配星である
木星こそが、生命の誕生と
5元素の根本である
アーカーシャ(虚空)、そして
聴覚(音)を代表するのです。
2・ヴァーユ(風)
虚空の息子は風であります。風は肌によって、感触として認識できる存在です。
その父親であるアーカーシャ(虚空)の性質を受け継ぎ、音としても聞けますし
(風が強いときはビュービューといった音を聞く事ができるでしょう)、感じる事もできます。
ここで肌によって感じる事(触)と風はつながるのです。
この
ヴァーユ(風)に対応するのはシャニ(土星)(とラーフ)です(注・地を代表する事も
あります)。
シャニ(土星)は肉眼で見える惑星の中で最も遠い星であり、外の世界(太陽系外)と
内の世界(太陽系)の境界線を表します。
これを人の体組織に対応してみた場合、人間の意識が神経によって感覚に下降する経路を表すことに
なります。
触覚とは肌で感じるものであり、肌とは外の世界と内の世界の境界線を表すものです。
それゆえ触覚とは、ちょうど太陽系における土星のような役割を担っていることになります。
ちなみにラーフは土星に似ているといわれており、やはり同じ理由でヴァーユ(風)、そして
触覚を代表するのです。
3・アグニ(火)
風の息子は火であります。火は色と形を持つので、目によって知覚できる存在です。
その父親である風(触)と、祖父である虚空(声)の要素を受け継いでいます。
火が強ければゴウゴウと音を立てますし、近づけば肌によって熱さを感じる事ができます。
さらに火は、視覚によっても認識できるため、色(視覚)とつながることになるのです。
このアグニ(火)に対応するのはスーリヤ、マンガル(太陽、火星)、(ケートゥ)です。
(注・太陽は乾燥した惑星でもありますからいくらかの風の元素も含まれるといわれています。
また、火星は重い惑星ですから第2の元素として地の元素も含んでおり、
さらにケートゥは2番目の性質として風の元素を持っているといわれます。)
一方で、色(視覚)を表すものとしては、スーリヤ、チャンドラ、マンガル(太陽、月、火星)が該当します。
チャンドラ(月)はマハブータ(5元素)では水を代表しておりますが、
変化しやすい惑星であるため、スーリヤ(太陽)の近くにある時には風の元素の傾向を帯びる時があったり、
火の元素を表すこともあったりします。いずれにせよ、
スーリヤとチャンドラ(太陽と月)は発光体であるため、やはり視覚に関係することになります。
特にスーリヤ(太陽)は右の目に影響力を持ち、チャンドラ(月)は左の目に影響力を持っています。
4・ジャラ(水)
火の息子は水であります。水は舌によって味わう事ができます。
舌というものは生まれた時から死ぬときまで常に濡れているものです。
ゆえに水と舌と味とは、常につながっている事になります。水は曾孫です。父である火と、祖父である風と、曽祖父である虚空の要素を全て持っています。
水は見る事ができ、触る事ができ、聞く事ができ、さらにここでは味わう事もできるように
なりました。
このジャラ(水)に対応するのはシュクラとチャンドラ(金星と月)です。なにかとなにかをくっつけたり
混ぜ合わせたりする性質を代表します。
(注・前述の通り、月は変化しやすい惑星であるため、太陽の近くにある時には
風の元素の傾向を帯びる時があったり、火の元素を表すこともあったりします。
また金星は軽くて、いくらか移動性のある惑星なので
2番目の元素として風を含んでいます)。
また、味(味覚)としてはシュクラ(金星)だけが対応します。チャンドラ(月)は発光体であるため、タンマートラとしては色つまり視覚と関連するのです。
5・ブーミ(地)
水の息子は地であります。地は香り、味わえる、見える、触れる、聞こえる、
地は全ての要素を持っています。
逆にいえば地の元素の中には5つの元素が入っていて、虚空から地まで下にいくにつれて
だんだんと重くなります。 土の中には水の元素や火の元素、風の元素や虚空の元素が入っている事になります。
このブーミ(地)に対応するのはブダ(水星)です。知覚、商業、コミュニケーションが基本的な性質ですが、
水星は移動性の惑星であるために風を代表しているとか、
微細な性質から虚空を代表しているといわれる事もあります。水星は変化しやすい星ですから、関連する他の惑星の性質を帯びる傾向があります。
例えばブダ(水星)は、アーユルヴェーダでいうところの
トリドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カパ)であり、3つの要素を全て持ち合わせます。
どのドーシャが強く表れるかは、関連する他の惑星の力量によるのです。こういった点からも、ブダ(水星)は全ての元素を持ち合わせる地に対応し、かつ香(臭覚)に対応する惑星として
ふさわしいといえます。
ちなみにアーユルヴェーダの3つのドーシャとマハーブータの関連は
風(ヴァーユ)
火(アグニ)
水(ジャラ)



ヴァータ
ピッタ
カパ
となります。
虚空(アーカーシャ)と地(ブーミ)は
天と地ともいうべき存在ですので動きがありません。
風(ヴァーユ)、火(アグニ)、水(ジャラ)
が肉体の中で動く
ということになります。
アーユルヴェーダでは病気になる事は結合であるといわれます(チャラカ・サンヒター参照)。
風(ヴァーユ)=ヴァータ、火(アグニ)=ピッタ、水(ジャラ)=カパ

互いに関連しあい、肉体の中で動き結合する事によって
様々な体質や病気が発生することになるといえるでしょう。
傷みはヴァータに関連し、炎症はピッタに、そして腫れや鈍痛はカパに関連します。
※虚空(アーカーシャ)と風(ヴァーユ)をヴァータに対応させ、
火(アグニ)、水(ジャラ)をピッタに対応させ、
水(ジャラ)と地(ブーミ)をカパに対応させる説もあります。
日本で出回っている情報の中では、こちらの方が主流なのかもしれません。