●ダシャーとは

 

ジョーティシャ独自の未来予測システム。
出生時の星の配置はその人の人生の内容、及び魂の経歴を語っている。
ダシャーはそれらの
惑星によって示された様々な出来事が発現する時期(カルマが戻ってくる時期)がいつなのかを知るためのシステムである。
グラハによるダシャー・システムは「生まれた瞬間に、様々な配置や状態にある9つのグラハのうち、ある特定のグラハが表示する現象がより強く現れる時期」を示す。

 

●ヴィムショタリ・ダシャー

 

ヴィムショタリ・ダシャーは120年周期で展開するサイクルである。
このシステムでの人間の寿命は120年と5日と予想されている。 (※現代に生きる大部分の人はそれほど長くは生きない。しかし死の後にやってくる期間は死後の状態、すなわち個々の魂の旅が、どのような性質のものになるかを決定する助けになる、という説がある)
ヴィムショタリとは120を意味する。
このことは、このシステムが120という数字を元に予想したものである事を示している。

120年の間に起こる様々な出来事は7つのグラハ(球・星・惑星)と2つの影の惑星(仮想の感受点で太陽の軌道と月の軌道の交点。ラーフとケートゥ)により表されている。
これらの惑星には、それぞれが役割を果たす期間が割り当てられている。

ちなみに120という数字はナクシャトラの期間を惑星の合計でかけることによって求められる。

 

   13度20分(ナクシャトラの期間)×9(惑星の合計数)=120(年)

 

●ヴィムショタリ・ダシャーの中で各惑星が与えられた期間

 

生まれた時点で始まるダシャーは、出生時の月が、在住するナクシャトラのどの地点にあるかで決定される。それぞれのナクシャトラは9惑星のいずれかに支配されている。
例えばある人が、
アシュビニーという名のナクシャトラに月が在住する時に生まれたとする。このナクシャトラはケートゥに支配されている。ゆえにこの人の生まれた時点でのダシャーは、ケートゥからはじまる事になる。 そして次のナクシャトラであるバラニに生まれた人は、バラニの支配星である金星からダシャーがはじまることになる。
それぞれのナクシャトラは、
9惑星によって順番に支配されて行くが、10番目のナクシャトラであるマガーに至った時には、一巡しもう一度ケートゥに支配される。

また、先ほどのアシュビニー生まれの人のように、ケートゥ期からはじまるダシャーに生まれた人は、その後120年の間にケートゥ→金星→太陽→月→火星→ラーフ→木星→土星→水星・・・という順に9惑星が担当する期間が推移することになる。
この順番は、惑星がナクシャトラを支配する順番と同様である。

1世紀は100年、1年は365日、1日は24時間、というように実際の時間を表す際の、単位や進数はいろいろあるが、ダシャーの進数は9であるといえる。
この9つの惑星が3回繰り返されることにより、全27星宿が支配される。

 

ヴィムショタリ・ダシャーの計算のためには、惑星の順番とその期間を知っておく必要がある。次に挙げるのがその順番と期間である。 また、次に挙げる表はダシャーのうち一番大きな周期(120年)で周り、全ての基本となるダシャーを表しており、マハー・ダシャーと呼ばれている。

 

●マハー・ダシャー

 

 

(1)ケートゥ 

7年

(2)金星

20年

(3)太陽

6年

(4)月

10年

(5)火星

7年

(6)ラーフ

18年

(7)木星

16年

(8)土星

19年

(9)水星

17年

合計

120年

 

 ヴィムショタリ・ダシャー2