プラシュナ・マールガ

 

 

 

ここでは『プラシュナ・マールガ』において興味深い部分を茶丸による脱力系つぶやきも入れながら、ご紹介したいと思います。

『プラシュナ・マールガ』とはジョーティシャ(インド占星術)において名高い聖典の一つです。以下、ラーマン師が英訳したものを参考に記します。

まずは第一章第一節からです。

 

 『プラシュナ・マールガ』第一章

 

第一節 我が心による悟りと発展、そして成就を願い、ヴィシュヌ神に祈念する。

  

 

【ラーマン師による注釈】

まず神聖なる恩寵に祈願することなく作業を始めるサンスクリット作家は存在しません。この節において、著者であるハリハラ(Harihara)は、「乳海より誕生した者(Lakshmi)の主」という意味である「ドゥグダ・シンドゥ・カンヤダヴァム(Dugdha Sindhu Kanyadhavam)」とされているヴィシュヌ神に敬意を表しています。

 もう一つは、Madhyatavyadhipa、その意味は著者の故郷であるMadhyataveedhiまたは“Edakad”の主に向けられたものです。著者は心の浄化、あるいは覚醒(Buddhi)、発展(Vriddhi)、そして成就(Siddhi)を祈っています。

 

 

 

第二節 それらが清浄さと真実をもって私の言葉を祝福してくれるよう、私は我が師、そして惑星に敬意を示す。

 

 

【ラーマン師による注釈】

 単なる知識だけでは占星家は有能な予言者となることができないとインドでは広く信じられています。ヴァークシッディ(Vaksiddhi)、つまり正確な予言の才を得なければならず、この能力は神、そして師に対する真摯な祈りによって獲得できるとされています。従って、著者は自らの言葉が真実の恩恵を授けられるようにと祈っています。

 

  

【茶丸のつぶやき】

 ヴァーク・シッディ(弁舌の成就)とは発した言葉が真実になるというものです。例えば冗談で「明日は雨が降るよ」と言ったとします。すると仮に明日の予報が晴天であったとしても関係者に向かって局地的に雨が降り注ぎます。

これは常に聖典の言葉を述べたり、マントラを詠唱したりすることによって、真実を発することが当たり前となった口から述べたことは何であれ、真実と化してしまうという一つのシッディ(達成)を表します。

 

 

 

第三節 私は我が師 Mangalasseriに頭を下げる。科学の師である彼の弟子達は未来の偉大なる予言者である。

 

 

 

第四節 我が弟子達への恩恵を願い、我が村シヴァ神に敬意を示し、そして『プラシュナ・マールガ』を詳細に説明する。

  

 

【ラーマン師による注釈】

 第二節においては祈りが師全般に向けてのものである一方で、第三節において著者はMangalasseriという名の自らの師に敬意を示し、彼の弟子達は皆非常に博学な占星家であると主張しています。

 

第四節では、著者自身が通過儀礼を行ってのち学び、そして今、弟子達のために役立てることを願っている占星術においての高名な作品に、著者が取りかかり始めた後に、彼の村シヴァ神(Chellureeswara又はPerinchellurappa)に対して敬意が表されています。

 

 

<占星術が包含する主題>

 

第五節 古代の占星術的科学は3つのスカンダ(skandhas)または6つのアンガ(angas)に分けられている。3つのスカンダとはガニタ(Ganita)、サンヒター(Samhita)、そしてホーラ(Hora)である。

 

 

第六節 賢人達は占星術という偉大なる科学を、ジャータカ(Jataka)、ゴーラ(Gola)、ニミッタ(Nimitta)、プラシュナ(Prasna)、ムフールタ(Muhurtha)そしてガニタ(Ganita)、の6つのアンガに分類した。